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731: 333 :2017/01/26(木) 14 20 15 フローデ達の憂鬱 第二章 一本の矢となった敵艦隊が扇形の陣形に突き刺さる。 ヤ・ファド ファーズ 平面宇宙図に表示された二つの図形は巨大な艦隊が平面宇宙で激突していることを如実に物語っていた。 フラサス 敵味方合わせて万に届こうかという艦艇が時空泡という小宇宙に包まれ、光点となって表示されている。 スプーフラサス 穏やかだった平面宇宙は荒れ狂う時空粒子流に飲み込まれ、まるで戦いの激しさそのものを表すかのようだ。 強烈な時空粒子の流れは嵐となって両者の時空泡に叩きつけられる。そのなかを敢然と突き進む敵艦隊。 ヤドビュール・カルカスナ・ウセム 「第二十一偵察分艦隊半壊!後退許可を求めています!」 ヤドビュール・ゴロマタ・アシャム 「第四十二突撃分艦隊壊滅!だめです、戦線が持ちません!」 ヤドビュール・ロスソクナ・ウセム ヤドビュール・ロスガナ・アシャム ヤドビュール・ゴロマタ・アシャム 「なんとしても食い止めろ!第十九偵察分艦隊は側面攻撃!第十八突撃分艦隊は第四十二突撃分艦隊がいなくなった穴を塞げ!」 レンド サースマ 嶋田の指示が飛び、指揮刀が振るわれる。 銀色の輝く刀身はレンド自身のように、研ぎ澄まされていた。 ガホール 艦橋は今や混乱の最中にある。 次々齎される凶報、秒単位で変化する戦況、膨大な情報の奔流。 それでも大艦隊の全力突撃を受けてなお組織立った戦闘が続けられるのは磨きぬかれた司令部組織と確固とした指揮系統、星界軍の 高い練度とレンドの卓越した指揮能力の賜物だった。 だからこそこの艦を落とす意味がある。 レンドは思考の片端でそう思いながら、また届けられた戦況報告に迅速な指示を出していく。 既に平面宇宙図に映る陣形は綺麗な扇形ではなくなっていた。 陣形が崩れているのは敵も同じだった。扇形の縦深防御陣形は中央を切り裂かれて銀杏の葉のような形になり、矢のような突撃陣形 は鏃が潰れて短くなっていた。 グラーガ もしもこのような状況で旗艦《キンカウ》が沈めばどうなるか。まず間違いなく、混乱するだろう。 もちろん指揮系統の移譲は速やかに行われるし、後任の指揮官に混乱を収拾する能力がないということもない。 しかし指揮権が移譲されてから混乱が収拾されるまでの僅かな間に敵は思いのまま艦隊を蹂躙するに違いない。 フローデ 「提督。第二十一偵察分艦隊の一時後退、代わりに側面攻撃の強化を提案します。」 ヤドビュール・ロスガナ・ウセム ヤドビュール・ロスダナ・ウセム 「仕方が無いか。第二十一偵察分艦隊は後退、第十九偵察分艦隊の側面攻撃に第十八偵察分艦隊、第十七偵察分艦隊も加われ。」 だと言うのに、シュボーズときたら…。 ワスカーサレール 参謀長である彼女の提言を聞くレンドだが、どこか楽しそうな声音に頭を痛める。 なぜ自分はこんな連中にばかり好かれるんだ。いつもなら浮かべるその思いを脳裏に浮かべる余裕もない。 突撃を続ける矢のような敵艦隊は徐々にその長さを縮めつつ、確実に扇の要に迫る。 一方扇形の縦深防御が敵に打撃を与え続けているのもまた明白だった。 天秤はどちらに傾くこともなく、しかし徐々に旗艦に敵艦隊が迫ってきているのも間違いなかった。 ダディオクス 「やむを得ないか。各員、通常空間戦の準備をしておけ。僚艦にも伝えるように。」 フローデ 「提督!?」 シュボーズの声は司令部のある旗艦が敵と直接戦闘するという無謀さに対する驚愕故だと思いたい。 その声に歓喜の色が混じっていたと認めたくないレンドだった。 「万が一のためだ。しないで済むのなら、それに越したことはない。」 732: 333 :2017/01/26(木) 14 21 41 グラーカ レスィー フラサス 旗艦《キンカウ》は同じカウ級巡察艦《リュルカウ》と《スルカウ》と共に時空泡を形成している。 だが当然ながら旗艦は司令部機能に特化しており直接戦闘はそれほど考慮されていない。 できないわけではないが、それでも戦闘力が落ちるのは否めなかった。 とはいえそうも言っていられない状況になっているのもまた事実。 「もう少し耐えれば包囲網で一網打尽にできる。側面攻撃を強化したからな。」 敵艦隊は陣形の奥深くに突き刺さっている。それはつまり包囲されているということでもあるのだ。 四カ国連合軍にとっては旗艦撃沈の好機にして戦術的勝利の好機、そして今後二度と訪れないだろう戦略的勝利の好機でもある。 星界軍にとっては緒戦で取り逃がした敵主力を撃滅する好機であり、帝都陥落の危機。 「ここで私達が落とされれば敵の勝利、耐え抜けば帝国の勝利ですか。」 アローシュ ガ・フェーク フリューバル 帝都が落とされ、八王国の連結が絶たれるか。それとも帝国が耐え抜き、時間と言う最大の味方を呼び寄せるか。 ブルーヴォス・ゴス・スュン ガノト・フリューバル 四ヶ国連合にとっても大和帝国にとっても戦争の行方を決める戦いだった。 フローデ 「提督。戦闘準備完了です。」 ワスカーサレール 「よろしい、参謀長。」 ヤ・ファド 平面宇宙図に映る敵艦隊は陽光に照らされた氷の如く消え行きながら、旗艦のある時空泡に迫る。 もはや退路はない。進んで、旗艦を撃破する以外に道は無いのだ。勝利以外の未来は死なのである。 そこまで己を追い込んで、初めて勝ち目が出てくる。帝国とはそれほどの国なのだ。 「回避機動を始めます。」 遂に司令部時空泡自体が動かざるを得なくなったのだ。 敵は確実に迫っているものの、少しずつ減ってきている。 鬼気迫る様子で突撃する敵艦隊。必死に圧し留めようとする味方艦隊。 だがもう少しというところで、敵艦隊が数倍に増えた。 フラサス いや増えたのではない。三隻編成の時空泡を解いて単艦時空泡になったのだ。 単艦になれば機動力と引き換えに防御力が落ちる。それでも突撃を優先したのだ。 数が増えた分脆弱になった時空泡は次々落とされていくが、一部はそのまま旗艦《キンカウ》に向かってくる。 おそらくは連合軍の中でも精鋭部隊なのだろう。敵陣のど真ん中で単艦時空泡になっても、巧みな機動で時空融合を回避していく。 それでも幾つもの時空泡が捉えられ、撃破されるが何割かは突破する。してしまう。 矢のようだった陣形は見る影もなく崩れ、今や包囲されている。 だがここで旗艦が撃破されるようなことがあれば、そこに僅かとはいえ綻びが生まれるだろう。 重厚な防御陣形を切り裂いて、遂に敵艦隊が司令部にせまる。 周囲には六つの時空泡。これが最後の防御だ。 色の違う光点が交わり紫色に変わる。敵と味方が交戦中である時空泡を表しているのだ。 だがそこに敵時空泡が次々時空融合する。 敵先頭は単艦時空泡ばかりだ。たいしてこちらは三隻編成の時空泡。 一対一なら間違いなく駆逐してのけただろうが、多勢に無勢。 側面からの援護も来ているが、ほんの少しだけ間に合わないだろう。 「間に合うか?」 733: 333 :2017/01/26(木) 14 24 11 レンドは問うた。回避している間に味方の援護が望めるか。 カーサリア・リルビコト 全ては航法参謀の躁泡にかかっている。 「一戦だけ耐えてください。それ以上は稼げません。」 十分な返答だった。レンドは無言で頷く。 三隻編成の時空泡で単艦時空泡の群れを避けるのだ。並々ならぬ腕前である。 矢型の敵艦隊は味方艦隊に挟まれており、両側の艦隊を結ぶ結節点に司令部時空泡がある。 その光点が平面宇宙上で複雑な軌跡を描き、必死に回避する。 しかし単艦時空泡の機動性には叶わず、ついに追いつかれてしまう。 「時空融合まで5、4、3」 艦橋に表示されている時空泡内部は灰色である。 しかしそこに光の円ができ始めた。時空融合が始まったのである。 ゴール・プタロス 「2、1、時空融合!」 円の向こうに敵艦が見えた。 「撃てー!」 瞬間、レンドは指揮刀をふるって命令を下す。 しかし出会い頭の攻撃は向こうも予測していたのだろう、危なげない操艦でかわす。 イルギューフ それを艦外空識覚で捉えながら、電磁投射砲の反動に耐える。 間髪いれずに敵も撃ってきた。今度は《キンカウ》が回避機動をとる番だった。 けたたましい騒音が鳴り響き、艦が攻撃を受けたことを知らせる。 「被害状況を知らせろ!」 ヴォークラーニュ ルニュージュ 「8番凝集光砲が射撃不能、2番反陽子砲が損傷!」 幸い傷ついたのは機雷迎撃用の兵装だけのようだ。 レスィー 巡察艦の主戦兵器はいまだ健在。まだまだ戦える。 レンドは艦外空識覚に意識を向けた。僚艦の《リュルカウ》と《スルカウ》も射撃をかわされて機動を続けている。 フロクラジュ だが《リュルカウ》が敵の側面に砲口を向けたとき、レンドの空識覚が時空泡内部のあわ立ちを感じた。時空融合の前触れだ。 ここにきてようやくなぜ敵が単艦で三隻相手の戦闘を始めたか気付く。 フローデ 「提督!」 「避け───」 思わず叫ぶが真空を隔てた僚艦には届かない。 いや、どのみち届いても間に合わなかっただろう。 スピュート 時空融合を果たした二隻目の敵に《リュルカウ》が気付いたときには、すでに核融合弾は放たれていた。 イルギューフ 電磁投射砲で加速された弾は僅かに軌道を変えつつ僚艦に迫る。 そして光が時空泡に満たされた。 ベーシュ 脇腹を抉った核融合弾は内部で炸裂、《リュルカウ》の心臓部を破壊して反物質燃料をあふれさせた。 自らの糧に飲み込まれた僚艦はなすすべもなく爆散する。 「敵二番艦、《リュルカウ》を撃沈!」 スネセーブ 残り香の反物質を《キンカウ》の防御磁場がはじく。 反物質の霧の中を四隻の巡察艦が機動する。両者巡察艦二隻ずつ。互角だった。 「焦るな!冷静に《スルカウ》と連携しろ!」 734: 333 :2017/01/26(木) 14 28 30 敵一番艦の狙いは三隻相手に大立ち回りを演じることではなかったのだ。 ただ時空融合して足止めし、後続の艦が来るのを待つことだった。 間一髪で撃沈から救われた敵一番艦は敵二番艦と連携して時折威嚇射撃をしながら機動している。 主戦兵器は艦首についているので前方にしか発射できないためだ。 二隻で連携して狙いやすい機動をさせようとするが、こちらも精鋭である。 できるだけ射線と直交するように回避しながら射撃機会をうかがっている。 可能な限り時間を稼ぐ。 時間さえ稼げば味方の時空泡が援護に来るからだ。 敵もそれをわかっているだろうに、決して安易に砲撃姿勢をとらず威嚇に徹している。 これだけでもその練度が知れようものだ。 だがある瞬間から威嚇射撃の対象が《キンカウ》に絞り込まれる。 敵がこちらの回避機動から、生き残ったどちらが旗艦なのか割り出したのだろう。 フローデ 「提督!敵に集中砲火を受けています!」 「かわせ!絶対に落とされるな!」 だが敵艦は二隻がかりでこちらを狙ってくる。 一番艦の砲口がこちらを向く。 急激な加速と共に、艦外空識覚に焼け付くような痛み。 スピュート 直後、核融合弾をなんとか回避した《キンカウ》に向けられる二つ目の砲口。 かわせない。レンドがそう思ったときだった。 《スルカウ》の主砲が火を噴いた。 高速に加速された弾体が時空泡を駆け抜け、主を狙わんとする不貞の輩に食いつく。 スネセーブ 防御磁場を難なく突破し装甲を突き抜けて内側から破壊する。 「状況は!」 反物質の光が収まったころ、レンドは改めて確認する。 「敵二番艦撃沈!しかし我が艦も被害甚大!」 ラトーニュ 戦闘指揮卓に映る被害状況を見て顔をしかめる。 戦闘は続行可能だ。だがかなりの損害を受けてしまった。 「ひとまず回避に専念しろ!あと少し待てば援護が来る!」 僚艦のおかげで危機を脱した《キンカウ》だが、戦闘はまだ終わっていない。 時空泡の中では未だに《スルカウ》と敵一番艦が戦っている。 ヴォークラーニュ ルニュージュ 互いに凝集光砲や反陽子砲を向け合って傷つけあう。 いくら威力が低いとはいえ、それだけで両者かなり被害を受けているだろう。 しかし終わらない。終わるわけが無い。 どちらかが滅びるまで戦いは続くのだ。 735: 333 :2017/01/26(木) 14 29 55 敵一番艦は《スルカウ》を相手にしつつ、機を見てこちらを狙ってくる。 それを阻止するべく攻撃する《スルカウ》。 時間が経てば経つほどこちらが優位になる。 ところがこのまま帝国に傾くかと思われた天秤は敵艦の行動によって水平に戻る。 敵はわざと《スルカウ》と《キンカウ》を結ぶ直線状に艦を滑り込ませたのだ。 「いかん、撃つな!避けろ!」 一瞬躊躇する艦橋。ここで撃てば敵艦を貫いた核融合弾が味方に当たるかも知れないのだ。 その一瞬が致命的だった。敵艦は《スルカウ》に艦首を向け、主砲を放つ。 一方《スルカウ》も撃つ。《キンカウ》が避けたからだ。 だが遅れた代償は大きかった。三度目の光がその証明だった。 「《スルカウ》撃沈!」 ヴォークラーニュ ルニュージュ イルギューフ 光の中から現れた敵艦は満身創痍。凝集光砲で焼かれ反陽子砲で削られ、電磁投射砲で抉られている。 《スルカウ》の攻撃も無駄ではなかったのだ。その意思は確実に敵を捉えていた。 追撃に放たれた《キンカウ》の弾丸も避ける。 いつしか小さな宇宙には二隻しか存在しなくなっていた。 ようやく邪魔者を排除した敵艦が少なくなった凝集光砲と反陽子砲で《キンカウ》を攻撃する。 「回避!」 レンドは指揮刀をかざして命令するが、全てを回避することはできない。 あてずっぽうに撒き散らされただろう弾幕が直撃する。 グラハレル オプセー 「司令長官!主機関の出力が落ちています!」 運が悪いにも程が在る。まさか今の一発でたまたま主機関に被害が出るとは。 「直せないのか!」 「すぐには無理です!」 自由自在な機動が幾分抑えられた《キンカウ》。 それを最後の機会と受け取ったのだろう、敵艦が主砲を向ける。 フローデ 「提督!敵が突撃してきます!避けられません!」 フロクラジュ 空識覚に浮かぶ敵艦は猛烈な勢いで大きくなる。迷ってはいられない。 「撃てーーー!!!」 先に撃ったのはどちらだったのだろうか。もしかしたら同時だったかもしれない。 スピュート 艦首を向け合う二隻の艦。《キンカウ》と敵艦がそれぞれ放った核融合弾を確かに感じて…レンドの意識は光に溶けていった。 736: 333 :2017/01/26(木) 14 31 01 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です
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842 :影響を受ける人:2016/02/04(木) 22 30 59 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第八十五話 ―決戦前夜02― 敵の進路を予測し、その日数を計測した結果をもとに、訓練は忙しく進んだ。 航空母艦からの発艦・着艦もそうだが、もしもの為のトンボ釣りも同時並行で進められた。 「司令、そろそろです。」 「うむ。先程発艦する影が見えた。」 夢幻会所属となった木村昌福は、この世界でも駆逐隊の司令として現場に出ていた。 前世でもそうだったし、やっぱりやった事が有るからシックリくる。 本当は別の事でもしようかと思っていたのだが、幼馴染となった少女がウィッチになったことで運命は決まったようなモノ。 結局木村は心配したので、彼女よりも少し後に(微妙な差異はある)海軍に入る。 そこで古い仲間達と再会し、また夢幻会が存在する事を知った。 もっとも彼に栄達の気はあんまり無いので、前世同様現場で奮闘することにした。 けして山本五十六の苦労を知ったからではないし、個性が強すぎる夢幻会についていけないからなどと言う情けない理由は無い。 少女も海軍所属であったのだが、前世同様1921年に木村とお見合いをしてそのまま結婚。引退した。 一部の夢幻会会員からは「なんだよ。今世でも勝ち組か!」などとお祝いと言う呪詛を貰ったりしたが。 本人は最初、前世の嫁に操をたてるつもりであった。だがお見合いをした翌日には、すぐに婚約。 なんでも「嫁に叱られた。」との事。 そんな事もあったが子供にも恵まれ(双子の姉妹、長男)、この世界でも彼は幸せを掴んでいる。 話を戻し、木村はそのまま双眼鏡で上空に上がったウィッチを見る。 まだ小学生と言える少女達。 そんな彼女等が、まだしなくていい訓練をする。 前世の習慣を引きずる木村としては、彼女等に頼らないといけないという事実に情けないと思うし、生存できる確率を上げるための手伝いをしたいとも思う。 今世の嫁も早くから導術士学校に行き、軍属となったが、それでも職業軍人として存在していた。 家に帰れば「復帰した方が良いのかしら・・・」などと言うが、やめてほしい。 「お、下りてきましたね。」 「むぅ・・・」 今回は飛行中にトラブル。もしくは被弾して飛行不能に陥ったという想定だ。 だから少女達は一度ホバリング状態になってから、ワザと発動機を切って落下してくる。 まあ最初は手慣れている【瑞鳳】のウィッチが手本を見せてからだが。 ストライカーユニットは、片肺でも飛行は可能だ。 しかし出力が落ちるのでさっさと退避するのが基本。 だから早々落ちてしまう事はあんまりない。だからと言って備えない理由にはならないのだ。 手本を見せるウィッチが防風シールドを展開し、パラシュート代わりにして減速しながら落下してきた。 そして海面に当たる前に体制を変え、足から海に突入する。 その際、防風シールドをそのまま円錐に変えて、矢尻のようにするのも忘れない。 海中に潜ったウィッチがストライカーを投棄して浮かび上がる。 「ふぅ・・・」 ウィッチの顔を見て、木村は安心して息を吐く。 隣にいる副官も帽子をかぶり直して、安心したように呟く。 「訓練とはいえ。パラシュート無しですからね。」 「事故と言うのは、何時、いかなる時に起きるかわからんからな。」 頷く副官を横目で見て、こちらに泳いでくるウィッチ。 続いてもう一人、手本を見せるウィッチが落下してきた。 こちらは大きなシールドでかなり速度を軽減している。 そして海面に落下するが、今度は背中から落ちてくる。 今度は先程よりもかなり減速しているので、水しぶきの高さは低い。 「やはり、胆が冷えるな・・・」 「そうですね。」 「上の話では決戦は八月の末を想定している。 時間があるようでないな・・・」 「艦隊も順次簡易的な整備を行っています。」 「次は我々だったか?」 「ええ。ようやく意味のない魚雷と爆雷を下せますね。」 そう言って副官は魚雷のある方角を見る。 843 :影響を受ける人:2016/02/04(木) 22 31 32 「水雷長には悪いが、次の作戦においては必要ないからな。 被弾したら、轟沈の原因になってしまう。」 「そうですね。しかし・・・なぜ今まで装備していたのでしょうか?」 「どうも上の派閥争いの影響の様だ。」 「戦艦屋・・・ではなく?」 「君も覚えていた方が良いぞ。最近では派閥引き込み競争も激しいと言うしな。」 「自分はあまり興味が無いのですが・・・ どちらかと言うと、次期生産予定の陽炎型駆逐艦の方が、興味が有ります。」 「陽炎型か・・・」 この世界の陽炎型駆逐艦は“対艦”を意識した駆逐艦であり、対外戦を想定している。 これを企画したのはもちろん堀井一派。彼等の派閥は九鬼派と半々の具合で建艦計画に口出しできる。 九鬼大将としては計画を変更したいと思っているが、堀井大将と共に推進している大型戦艦建造計画に噛んでる為に何も言えない。 夢幻会側としては、対空迎撃能力特化の秋月型を企画しているという。 だが、口出しできないので机上の空論としかならない。 唯一航空母艦に関して言えたくらいだ。 【翔鶴】【瑞鶴】は、ストパン世界では改飛龍型空母といえる艦。 しかし口出しにより憂鬱世界版の、全く違う空母となる予定。 代償として、少なくない人員を海軍から追い出されたが。 そんな物思いに使っていたのだが、狭い艦橋に兵士がやってきた事で中断してそちらに振り向く。 「ウィッチ二名の回収が済みました!」 「そうか。異常はあったか?」 「いえ。ストライカーの回収も無事に、済みました。」 今回、更に試験導入された機構の動作テストもあったのだが、旨く起動したようだ。 ストライカーユニットに増設された物。それは海中に落ちた際に膨らむクッション。 ウィッチが溺れない様にするためでもあり、回収を容易にするためでもある。 訓練で損失する事も無くなるため、大急ぎで開発された代物だ。 海上戦を想定した装備であるが、止め栓が水分を吸収して溶けて外れる機構なために、雨に濡れても事故で濡れても起動してしまう。 「さて。これからが本番だ。 今度は慣れていないウィッチが相手になる。気を引き締めよ!」 「「「「「はっ!」」」」」 ――――― 大陸の荒野を進む巨大な建築物・・・ではない。 扶桑皇国命名“ヤマ”と呼ばれる、観測史上最大級の大きさを誇るネウロイだ。 多脚を使って大地を突き進んでいく姿は、蟲が這っている様でおぞましく、護衛の陸戦型ネウロイも害虫の様に見える。 上空を仰ぎ見れば、巨体を回転させながら周囲を見張る“オニグモ”が二体。 更に御付として“アホウドリ”が、無数の“スズメバチ”“ウシアブ”も舞っている。 黒い軍団は、無言で突き進む。 それを隠れながら観察する集団がいた。 「ふぅ・・・ 隠蔽しているとはいえ、気が狂いそうだ。」 「本当ですね。」 彼等は調査のために、もう一度上陸してきた陸軍の兵士達だ。 この地で育ち、この地で活動してきた彼等にとってここは庭みたいなもの。 今回の様に地形を縫って進んでいくのは、お手の物だ。 数少ない調査用の機材を動かしつつ時計を見る。 「そろそろのはずだが・・・ 手間取っているのか?」 「入念に隠蔽していましたからね。 列車砲に改造してあるとはいえ。引きずり出すだけでも一苦労でしょう。」 今回の調査で使う物それは、前回“オニグモ”を仕留めるために使った改造砲だ。 それを二門だけ列車砲に改造し、港に土や木材で機関車共々覆い隠しておいた。 一応名目としては、 「ネウロイに占領されていても、そのまま使えるか。」 「大陸反攻作戦時に使用する。」 等々。・・・夢幻会の入れ知恵もあるのではあるが。 本命として敵の反応速度や、迎撃精度の高さ、どのくらい頑強かを調べるため。 そして目的通りに使用されることが決まった。 相手は移動目標とはいえ一キロ四方の巨大な物体。 当てられないわけが無いだろうが、別に当てられなくとも良い。 長射程を狙う山形弾道だから、自然と砲弾は上から下に垂直落下する。 傾斜しているので触発信管にしてはいるが・・・ 兵士達は息をひそめて観察を続けていると、唐突に“ヤマ”が動きを止めた。 「記録開始!」 号令と共に双眼鏡に飛びつく者、時計を見て時間を確認する者、取り巻きの行動を感朝つするものなどに別れる。 息をのんで双眼鏡を敵の頭頂部に合わせると、紅い部分が発光を開始し始めた。 「敵、赤色部、発行開始、計測始め!」 「了解!」 844 :影響を受ける人:2016/02/04(木) 22 32 08 “ヤマ”は少し体を動かし、すぐに静止する。 そして・・・チャージを終えると、すぐに発射した。 今までにないほど太いレーザーは雲を突き抜け、空に大穴を空けてその先から飛来した砲弾を見事に撃墜した。 爆炎が更に大名を広げ、その中から二発目が飛来する。 二門用意された列車砲はほぼ同時に、ほぼ同方向から砲撃をした。 たとえ一発を迎撃したとしても、僅かな差で一発は命中するように仕向けられている。 豪速で迫る砲弾に、“ヤマ”も慌ててチャージする・・・前に“オニグモ”の一体が猛烈な砲撃を開始した。 体を回転させてチャージ時間を無くす戦法をとる“オニグモ”だが、動いているが故に当たりにくい。 “アホウドリ”も迎撃態勢でもって迎え打ち、空が赤い光で埋め尽くされる。 その中の一つが砲弾に命中したのだろう、周りにある物すべてを吹き飛ばして爆発した。 「凄まじいな・・・」 「奴ら、相当懲りているのでしょうね。」 「墳進砲もそうだが、前回の大型砲弾が堪えたと?」 「ええ、強力な一撃・・・ それを学習したのではないかと。」 「ふむ・・・ ここで考察しても仕方がないな。 急いで撤収する! かかれ!」 彼が掲げる双眼鏡の中では“アホウドリ”二体と、“スズメバチ”“ウシアブ”の群れが不届き物に天誅を加えるべく分派されていくのが見えた。 彼等に徹底的に破壊されるだろうが、列車砲は放棄前提でタイマー起動式になっていたから問題ない。 すでに人員は帰りの汽車に乗って帰投しているだろう。 地面に這うネウロイに気付かれる前にこちらも撤収だ。 これらの結果からどう判断するかは上に任せればいい。 指揮をとる男も、必要なモノだけ纏めて外に出ていく。 そして待っているのは、荷馬車だ。 鉄に引き付けられるという特性を持つネウロイは、こう言った原始的なモノにはとことん反応しない。 今の話ではないが、トラックに乗る避難民が狙われても、個人的に馬に乗る、牛車に牽かれるなどの行為で助かる者が続出するようになる。 殆ど布製の熱気球といった偵察も有効だとわかり、ブリタニアにて軟式飛行船が復活したりもするのだが・・・ あまり関係ないので話を戻す。 乗馬に慣れた者は、貴重な資料をもって先に戻る。 大き目の機材と、馬に乗れない人員を荷馬車に乗せ、 「よし。逃げるぞ!」 一目散に駆け出す。 流石に荷馬車は重いので速度は出ない。 舗装された道を走るわけでもないからなおさらだ。 兵士達は頼りないライフルを構え、視線の先にいる敵を不安そうに見つめ続ける。 それは帰りの木造船まで続き、曇り空の大陸が今後を更に不安にさせた。 以上です。 今回は応募オリキャラが入れられなかった。 次回には入れたい。
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648: 影響を受ける人 :2017/07/17(月) 22 16 25 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百十四話 ―扶桑海事変-18― 【長門】を先頭にし、後方に【陸奥】。更に後方に【伊勢】【日向】【田代】【焼石】が、ハ乃字に並んで航行していた。 上から見ると逆さまのY乃字にも見える。 これは【田代】艦長 古田高雄の具申を受け入れた形なのだ。 今まで輪形陣による対空防御を取っていたが、今現在はその形をとる必要が無いと判断。 護衛の狐狸部隊は首を捻ったが、無線で指示を受けると納得した。 足場を広げた“ヤマ”の下部に突入した第二打撃艦隊に、すぐさま護衛のネウロイ達が襲い掛かってきた。 数少ない彼等は、あまり広がり過ぎて味方の援護が出来なくなることを恐れ、ある程度纏まって行動している。 それを目にした古田高雄はにやりと笑う。 「敵の戦力も残り僅か。もう、余裕などない。」 確かに襲来してくる敵は脅威ではあるが、思ったほどの数ではなかった。 それは迎撃戦を切り抜けた戦艦四隻も同様。この程度の数ならば捌き切れると判断している。 その敵に向かってウィッチが攻撃を仕掛けた。 無論迎撃に移るネウロイではあるが、まったく攻撃に出る事は無く、回避行動をメインにして攻撃も牽制程度。 ネルギー問題を抱え始めており、余計な消費が出来なくなっていた。 「敵接近中。」 「うむ。」 それでも敵は進撃を止めない。 流石に護衛を務めるだけは有り、ウィッチが群がって攻撃しているのにも拘らず、まだ撃墜されるネウロイはいない。 しかし・・・目的は達成できそうだ。 「敵、密度上昇。」 見張りの声が艦橋に響き渡る。 まだ、まだ遠い。自分が考えた妙策は、この特別な状況下だからこそ機能しうるもの。 通常の戦闘では、下策ともいえる策だ。 予定通りに多方向に散らばる事を抑制した彼女等は、対空砲の有効射程内に入った事を悟ると距離を取り始めた。 一名・・・いや、三名ほど首根っこ掴まれている様に見えるが気のせいだろう。 「ウィッチ・・・離れます!」 「撃ち方・・・」 すぐさま報告がとび、 「始めえ!!」 「うちぃかたぁはじめぇ!!!」 号令が下された。 真後ろから迫っていた敵群は、何時もより濃密な対空砲火に見舞われた。 【長門】【陸奥】を覗いた対空砲火は、目論見通りにクロスファイヤ地点を作り出し、一気に敵を葬る。 対してネウロイ達は攻撃しようとした矢先の攻撃に、出鼻をくじかれて右往左往してしまった。 もし、ここに指揮官型が居れば違ったのだろうが、こちらには一体もいない。 更にベテランの、戦場を生き残り続けたネウロイもいない。だから、無様に叩き落されていく。 一体のネウロイが機首を上げるが、すぐにある物を見て中断してしまう。 そこに高角砲の砲弾が命中し、胴体を粉砕されて墜落。海中に没した。 その光景をみつつ古田は呟く。 「もし・・・」 視線をゆっくりと上に向け、 「天井が無かったならば、お前達が優位だったろうな。」 黒い足場を見て敵に同情した。 徐々に低くなる天井。この戦闘でしか発生しないであろう特別な条件。 三次元に動ける敵が、二次元的な動きを強要される空間。 まだ高さはあるが、頭上に何かがあるという圧迫感はどんな対象であれ、心に重くのしかかる。 だからこそ逆Y乃字という陣形がいきた。 「敵の進路さえ強制してしまえば、こちらの火力を存分に叩きつけられる。」 視線を戻せば大慌てで退避するネウロイがおり、有効射程外に居座ったウィッチが戻る様に追い立てていた。 それでも強引に突破し、逃げ帰るネウロイもいる。 だが、その数は襲撃してきた時よりも少なく。8体ほどしかいない。 彼等は大きく旋回し、第一打撃艦隊を襲撃している味方に合流しようと急いだ。 狐狸部隊は追い駆けようとしたが、主任務は飽く迄も障害の排除と護衛。 649: 影響を受ける人 :2017/07/17(月) 22 17 55 なんだか刀をブンブン振り回しているのが見えたような気がする。 気のせいだろう。 「以外に骨が無いな。」 「あれだけ火力を叩きこまれ、味方が少ないですからね。 自分でも退避を選びます。」 それもそうかと思い、視線を敵方前に向ける。 陽の差さない視界だが、薄ぼんやりと下向きに長く突き出した何かが見える。 恐らく、目標である核がその中に入っているはずだ。 後もう少しと逸る気持ちを抑え、トラブルに備える。 その少し後に、考えた通りに敵の弱点が視線の先にある報告を受け取った。 ――北郷隊:観測班―― 親友の若本徹子の惨状に嘆く事もできず、不満をさらけ出す前に気迫負けを期した。 流れ出る涙をぬぐい、坂本美緒はエンジンを吹かして速度を上げる。 その後方から竹井醇子が追いかけているが、何を言えばいいのかわからない。 自分も泣きたかった。だけど、そんな事をしてもなにも良い事はない。 (美緒ちゃん・・・) 皮肉なものだと思う。前向きに志願したのは徹子、自分たち二人は心配だから着いてきた。 それが・・・徹子はもう、ウィッチとしての活動は出来ないだろう。 人一倍努力し、負けず嫌いな彼女がどうなるのか、それはわからない。 無線越しで聞いた能力の詳細は衝撃的であり、親友の覚悟の強さを思い知った。 自分には何ができる? 何をすればいい? (とにかく、今は話しかけよう!) 意を決し、無線を起動させた。 「美緒ちゃん。」 『・・・・・・』 坂本美緒は答えない。 「さっきはキツイこと言ったけど、私も徹子ちゃんが心配。これは本当だよ?」 『・・・・・・』 「私は・・・」 何も答えない親友の態度に、心が締め付けられる。 だが、ここで逃げてはいけない。気持ちを奮い立たせて言葉を紡ぐ。 「美緒ちゃんにも死んでほしくない!」 『・・・・・・』 無視をされているのかもしれない。だが、それでも耳には届いていると信じる。 「もう、誰にも死んでほしくはないよ。」 『・・・・・・っ。』 「だから、私は信じるよ。徹子ちゃんは絶対生還するって。 だって死んでほしくないと思うなら、絶対に生きて帰れるって信じなきゃ。 死んじゃうなんて思う事が、一番駄目なんだ。 徹子ちゃんは決死の思いで飛び出したんだと思う。だから、私達は・・・」 『・・・』 言葉が上手く出ない。 「私達は・・・怒ろう。」 『・・・ぇ?』 「だってそうじゃない。ずっと黙っていたんだよ? 知らされていなかったんだよ? 親友だと思っていたのに、そんなに付き合いが長くない委員長には教えておいて。 そんなに私達が信用できなかったの?!」 『ちょっ、醇子。落ち着いt「落ち着いていられないよ!!」ア、ハイ。』 なんだかいきなり起こり始めた親友にビビる。 美緒の怒りはどこかに飛んで行き、代わりに困惑がやってきて頭が痛い。 「頼りにしてほしかった・・・」 『そうだね・・・』 「だから、怒りに行こうよ。なんで黙っていたのって。」 『わかった。』 ぴしゃりと何かを打つ音が聞こえる。 おそらく顔を叩いて気合を入れなおしたのだろう。 『ごめん。心配かけた。』 「いいよ。」 650: 影響を受ける人 :2017/07/17(月) 22 18 55 短い謝罪であるが、これだけで十分。 若本徹子には取りあえず反省文として100枚くらい書いてもらおうと、二人は話し合いで決めた。 そんなこんな話をしていたら、観測地点に到着していた。 早速魔眼を起動させる。本当なら接近して観測した方が良いが、すぐに戻る事を考慮してちょっと遠目にしている。 「さて・・・どう?」 『う~ん。下にあるのは間違いない。』 言い淀む回答に眉をひそめる。 聞きたくはないが、あまり良い予想ではない考えを脳裏に浮かべつつ問うた。 「もしかして・・・装甲が厚いの?」 『うん。少なく見積もっても10m以上はある。』 10mと聞いてどのくらい分厚いかわからないだろう。 設計にもよるが、マンションの3階の天井から4階の床くらいまでの高さを、そのまま装甲にすればいい。 史実の戦艦【大和】の舷側上部が410mmのVH(ヴィッカース非滲炭)甲鉄であったことを考えれば、とてつもない厚さだ。 しかもネウロイの体は金属のように硬い。 一体何発命中させればいいのか見当もつかない。 「『はぁ・・・ あ。』」 思わず二人とも同時に溜息を吐いてしまった。 それが何だか恥ずかしくて、とても可笑しく思える。 笑いたいのを大きく深呼吸する事で整え、醇子は北郷章香に通信を繋げた。 三点観測から導き出された敵の弱点、その装甲厚の問題も添えて。 「以上です。」 『そうか。まったく、厄介な問題が次から次に出てくるな。 しかし、当初の想定よりは希望がある。 一キロ四方の四角錐の中心だったなら、どこまで掘削すればいいのかわからなかったからな。』 確かに。 内心で同意し続いて戻る旨を伝え、大きく銃を振るって美緒に帰還を促した。 此方をチラチラ見ていのですぐに気が付き、そばを通過するコースで飛んでくる。 それに追従する形で自分も飛翔。美緒の右後方に着いた。 「これで、残敵を捌けば。」 「そうだね。これでケリがつく。でも、油断はできないよ?」 「わかっているよ。でも、そうそう悪い事なんて」 起きない。と続けようとした時。緊急通信が入った。 それは平文で、全ての回線を用いて伝えられる緊急事態。 『ネウロイ出現! 繰り返す! ネウロイ出現! 敵の構成は“スズメバチ”“アホウドリ”“オニグモ”の高速部隊! 作戦海域に向かっている!! 方位は・・・!!!』 緊急通信に耳を傾けつつ、いらぬフラグを立てた元凶を睨み付ける。 目の前の犯人は気まずいのか、顔をそむけていた。 「美緒ちゃん・・・」 「わ、私のせいじゃないぞ!?」 以上です。 敵が減り過ぎたから、増やしましょうね~
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23: 弥次郎 :2017/07/23(日) 20 04 04 銀河連合日本×神崎島 支援ネタ3 神崎島の出現。 それは、ティ連との接触という地球外生命体とのコンタクトで沸き上がる世界に新たな波紋を生み出した。 そんな中でも、人々はたくましく商売を重ねていくものであった。特に日本人はこのお祭り騒ぎに乗じて新たな商売をはじめようとしていた。 今日は、そんな中で世に放出された様々な品々を一部であるが紹介する。 〇万年筆 神崎島と日本国の間に結ばれた条約の調印式において神崎提督へと二藤部総理が差し出した万年筆と同じモデル。 調印式の直後から注目が集まり、一時メーカーのサーバーや電話対応窓口が飽和するレベルで問い合わせが殺到。 メーカー側は急遽対応を行い、可能な限りで増産を行うとともに、これを好機と見て攻勢に出た。 神崎島帰属記念モデルを数量限定で販売することで大きく売り上げを伸ばし、自社製品を広くPRすることに成功した。 〇五寸釘&藁人形 日本の伝統的ともいえる呪法である「丑の刻参り」に必須のアイテム。 こちらも神崎島について、というか、神崎提督の一夫多妻を通り越したハーレムに嫉妬した全世界のT督達によって需要が爆発的に増大した。 神崎提督を呪おうとする人間が余りにも多く、丑の刻参りをやろうとするT督同士が互いを目撃してしまい、 丑の刻参りの効果が失われたとするネットの書き込みがみられたが、その真偽のほどは不明である。 実際にやると御神木に傷をつける行為であるため神社側に非常に迷惑がかかり、場合によっては警察沙汰になりかねないのでやってはならない。 人を呪わば穴二つ。呪いは自分や自分の縁者へと返って来ることもあるので、軽々しく手を出してはいけない。 神崎島鎮守府には陰陽師スタイル(呪術師?)の艦娘が複数いるため、下手をすればリアルで呪いが返されるとも噂される。 〇神崎島鎮守府白書 神崎島および角〇、〇MMの監修のもとで発行された解説書。メタなことを言えば、元ネタ解説書。 実装済みの艦娘たちの戦歴・建造経緯・艦艇としての性能・容姿の元ネタなどを解説している。 この手の雑誌は多くの出版社から出されたのであるが、非常に玉石混合で、中には明らかな間違いを含むものまで流通し始めたため、 その対策の一環として発刊された。解説を行いながらも、神崎島そのものについても簡単に説明している。 例によって官民癒着だの騒いだマスコミもいたのであるが、各方面からの凄まじい圧力を受けて沈黙させられている。 〇神崎島鎮守府懐中時計シリーズ 神崎島鎮守府の妖精さんたちが装備として付けている懐中時計を参考に、日本の時計メーカーが作ったもの。 概ねデザインについては史実帝国海軍のそれを踏襲しており、デザインや寸法などはほぼ同じである。 妖精さんによっては各国海軍(ドイツ アメリカ イギリス イタリア ソ連)の懐中時計などを保有しているため、 その気になれば各国の懐中時計をモデルとしたものを生産及び販売することができるとされている。 現状では帝国海軍のそれをモデルとしたものの販売に留められているが、前述の理由から販売の打診が後を断たない。 〇1/72スケール 瑞雲11型/瑞雲(神崎島鎮守府配備型) 神崎島の航空戦艦及び航空巡洋艦の運用している水上機「瑞雲」の模型。 神崎島からの資料提供を受けてより本物に近い形状を得ており、さらに妖精さんの証言から得られたエピソードを付属の解説書に載せている。 勿論神崎島においては現役の軍用機であるために、意図的に構造がぼかされており、あくまでもそれっぽい模型といえる。 神崎島鎮守府配備型には妖精さんの模型も付属する。 〇間宮の洗濯板 神崎島鎮守府所属の給糧艦「間宮」が提供していた、史実において間宮羊羹と並んで称された食べ物。 その正体は史実においてはまだ不明であったが、ついに「本人」からの証言が得られ、現代によみがえった。 現在は神崎島でのみ味わえるが、今後の日本国との交流が活発化することで一般にも提供される可能性が出てきた。 〇「神崎島鎮守府」掛け軸 現実の掛け軸ではなく、艦これにおける執務室の家具。 神崎島鎮守府サーバーの開設を記念して家具屋のラインナップに並んだ。 一説には、モデルとなった掛け軸は神崎提督直筆のもので、艦これ運営に寄贈されたとされる。 〇「神崎島鎮守府」模型と桐箪笥 こちらも艦これにおける執務室の家具。 神崎島鎮守府サーバーの開設を記念して実装。家具職人と多額の家具コインが必須。 神崎島を簡単にデフォルメした模型が桐箪笥の上に置かれている。 〇神崎島日本国帰属記念切手/記念コイン 日本国への帰属が決定し、その帰属を明文化した条約の締結を記念して発行された記念切手と記念コイン。 どちらにも神崎島及び神崎島鎮守府施設、あるいは艦娘がデザインのモチーフとして使われている。 パターンは数種類存在しており、各地で販売されている。 24: 弥次郎 :2017/07/23(日) 20 04 58 以上。wiki転載はご自由に。 すぐに飛びつく日本人ならこういったものを作ってくれるはず…!(期待という名の無茶ぶり
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223: 635 :2021/03/17(水) 07 24 45 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間の小ネタ 日本政府、銀河連合日本との間に友好条約締結 また、特殊技術による福島第一原発解体、除染及び新型コロナウィルス用ナノマシンの供給に合意 日本の新聞の記事 「ナノマシンなどという訳の分からないものを使い政府は人体実験でもするつもりですか!?」 国会委員会での野党議員による質疑応答 『政府の発表によりますと原発の解体と除染の為にテラフォーミングが出来るという惑星工作艦デルメルという宇宙船が派遣されるとのことです。』 「寺なんとかってそんなので除染出来るんですかねえ?」 「××さん、寺なんとかじゃなくてテラフォーミングですよ。SFなんかに出てくる未来の技術ですね。」 『えー、テラフォーミングとは火星などを生命体が居住可能にする技術でその技術のお陰で向こうの原発解体も除染も出来たそうです。』 「ほぉぉぉぉ、でもハワイのゲート通れるんですかね?」 『此方側への移動方法については問題ないと…。』 とあるワイドショー番組 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: デルメルって宇宙船派遣されてくるらしいね 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: デルメルで船っていうとアレしか思い浮かばない 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: もしかして? 皆のトラウマ 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: ヤメロー!!思い出させるんじゃない!! 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 話を変えよう。そういえば次のイベントは? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 向こうで配信されてるやつじゃねえかって話があるな 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 対馬が舞台のやつだっけ? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: そうそう2010年代後半の日本のな、名前は『神機呪詛海域』だったか? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 副題が太母の目覚め、太母って誰やねん? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 名前からしてオリュンポス十二機神が出てきそうやな デルメルクルー? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 太母…グレートマザーやからティアマト再登場とか? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: ビースト再出現とかやめて下さい(白目) 某聖杯探索ゲースレにて 「そちらの日本へ派遣予定の大使候補一覧です。希望があれば考慮します。」 「総理の祖父の昭和の妖怪に…前年に亡くなられた大勲位って(汗)。」 「鉄の男にドゥーチェとかどないしろと(汗)。」 「鉄の男にドゥーチェは本人達が面白がって立候補しただけだから無視して構わないですよ。」 「ええええ…。」 「所でこのクラウディウスとニコラエヴナという女性は?」 「え?元ローマ皇帝とロマノフ朝の皇女ですが、それが何か?」 「「 」」 此方側と向こう側の会議にて 224: 635 :2021/03/17(水) 07 26 46 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!! 向こう側のフィンランド公式スミオネイトが某ユーティライネンであることを知ったフィンランド大使館のツブヤイター 名前:名無しのべいてー士官[sage] 投稿日: ツシマ沖海戦に参加したが艦これ/グランドオーダーだった 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: グランドーダーってどういうことだってばよ? 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: FGO? 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: 人理焼却でも人理漂白が起きたの? 名前:名無しのべいてー士官[sage] 投稿日: 神代で冥界でバビったわ 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: マテ こちら側の掲示板に出没した向こう側の人物 「次のニュースです。訪米中の向こう側のハリソン元アメリカ大統領が各国駐米大使と懇談し。 複数の大使が向こう側の自国との交渉を求めました。その際にハリソン元大統領は内複数の国家が既に存在しないと発言し…。」 公共放送午後七時のニュース 「始めまして向こう側のオランダ外相です。」 「始めまして、それで御要件とは?」 「はい、アムステルダム始めこちらのオランダ諸都市や各種文化財のデータを取らせて頂きたいのです。」 「それは構いませんが…何故?」 「ええ先の欧州大戦でのドイツによるオランダ侵攻で建造物や文化財の多くが消失してしまったのでそれら再現したいのです。」 「はぁっ!?」 「いえですからドイツによる侵略で…。」 此方側の駐米オランダ大使と面会するハリソンらに同行した向こう側のオランダ外相 「そういえばお姉ちゃん達はこれからどうすんだっけ?」 「サルカスの復興も一段落ついたからヤルバーンは数年越しデスガ元々の任務に戻る予定デスヨ。」 「ヤルマルティアって国探すんだっけ?」 「エエ、ここ数年でティエルクマスカであの病気も急速に拡大して来てマスから急がないと…。」 「寂しくなるなあ…。」 悠遠の王国、王都を見下ろす丘にて姉妹の会話 225: 635 :2021/03/17(水) 07 27 17 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 以上になります。転載はご自由にどうぞ。 ゲートが繋がった時代を忘れた訳ではありませんので(笑)
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847: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 21 04 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「出発」 「はい、吹雪ちゃん、黒雨ちゃん。 おはぎだよ、宇宙船でみんなで食べてね」 「間宮の羊羹もあげるっぽい。 吹雪ちゃん達だけでなくフェルさん達の分もあるっぽい」 「わぁ、おいしそう。 睦月ちゃん、夕立ちゃん、ありがとー!」 「アリガトウ」 「こっちはカレーで向こうはおはぎに羊羹、 宇宙行くって話なのに遠足かハイキングな気分だなぁ・・・」 記者会見でガークによる騒乱騒ぎがあってから数日。 ついに宇宙へ旅立つ日が訪れ羽田空港のVIP用待合室に待機していた。 記者会見での投石騒ぎがあっただけに、 周囲だけでなくVIP用待合室内部にも護衛が隙間なく警戒している。 とはいえ、睦月、夕立、吹雪、駆逐棲姫、もとい黒雨のやり取りは完全完璧に遠足気分で思わず柏木がぼやく。 「遠足ではなくてどちらかと言えば二ホンで言うところの、 『ふぇりー』の旅に近いデスヨ、マサトさん・・・んぐんぐ」 白木の手土産であるカレー弁当を早速口にするフェルが回答する。 なお【原作】あるいは平行世界ともいうべき世界線と違って2人で堂々とイゼイラへ行くことになっている。 何せ、 「私達結婚することにしました、 世界初の異星人間婚姻でちょっと嫁の実家へ行きます」 と派手に記者会見で発表したもんだから隠す必要なんてまったくない。 ついでにこのお陰で「日本だけ異星人国家に行くなんてずるい!」という批判も、 「嫁の実家に行く」という大正義を前にして表面上祝福モードとなって政治的批判は抑え気味となっている。 「いや、無理もねーぜ。 考えてみろよ今人類が宇宙に行くためにはどれほど訓練が必要なのかと、 民間による宇宙旅行計画はあるがまだまだ先に話だしそれがお前でも行けるから相当なもんだぜ」 「お前でも行けるなんて失礼だな、白木。 まあ、確かに宇宙服なしでスーツ姿で問題なしなんて地球にとってはチートだわな。 ・・・しっかし、なんか似たような話をどこかで読んだ記憶がするな、学生時代読んだ小説で」 白木の言葉に突っ込みつつ首を傾げる柏木。 848: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 21 41 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 「星新一の『空への門』ですね」 と、ここで入室してきたサラトガが答えを提示した。 「おお、それだ! いやあ、よく知っているなぁ」 「ふふふふ、 最近二ホンの小説を読むのが好きなのです」 と、笑顔で答える。 あふれ出る母性とお嬢様オーラに部屋に男衆は思わずときめく。 既に既婚者で神崎提督の嫁であるという事実は一時的にフェードアウトする。 そしてフットボールといえばキチンとした制服を着こんでいても、 なお自己主張する胸部装甲の大きさも丁度フットボールぐらいありそうで思わず視線が・・・。 「マ・サ・ト・サ・ン?」 などとアホな事を考えていた柏木だったが、 先祖は鳥さんな嫁ことフェルがとってもとっても良い笑顔を浮かべていた。 しかし目はちっとも笑っておらず米神にはうっすらと青筋が走っている。 ―――――笑うという行為は本来攻撃的なものであり、獣が牙をむく行為が原点である。 そんな言葉が脳内に浮かび、 片腕のない某侍のように神妙な表情を浮かべると・・・。 「ご、誤解だ、フェル! というかすまなかった、ごめん!」 「ふ~ん、ふ~ん。 いいですもーん、どうせ男の人はみんなおっぱい星人なのデスカラ」 即座に平謝りを始めた。 フェルは『3』な口元を作りそっぽ向いている。 「ぶはははは! 相変わらずだな先生」 「仲がよくて何よりです」 2人の様子を見ていた三島が爆笑し二藤部が微笑まし気に見ている。 「・・・で、先生よ。 そろそろ出発の時間だけど、 陛下から託された物だからくれぐれもよろしく頼むぜ」 「フブキさん、黒雨さん。 提督から託されたのを必ずサイヴァル議長閣下へ渡してくださいね」 「はい、必ずや」 「分かりました!」 「・・・ウン」 柏木は天皇陛下、吹雪と駆逐棲姫は提督。 それぞれから託された物の重みを再度確認した。 「んじゃ、いこうか」 そして間を開けず、 柏木がピクニックに行くような口ぶりでVIPルームからロビーへ踏み出た。 849: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 22 42 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net んで、予想はしていたがそりゃもう凄い人手であった。 仕事がら人に囲まれることは慣れている柏木も思わずたじろぐ程で、 群衆から噴出している熱気と歓声からかかるプレッシャーは半端ない、とはいえ。 【祝!!しばふ村代表吹雪殿、宇宙開拓!】 【フェルさん結婚おめでとう!だが柏木、テメーは絶対許早苗】 「頑張れ」というプラカードに混じって、 ネタに走った物がチラホラと見受けられ思わず吹き出しそうになる。 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 柏木氏ねええええええーーーー!!! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 堂々と手をつなぎやがって・・・ぱるぱるぱるぱる 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ で、ブッキーといえば何度見ても芋である 今夜もお芋の味噌汁だべ! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ あっさりーしっじみーはーまぐーりさーん 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 芋をよこせ! 芋をよこせ! しばふ芋の見返りに我が鎮守府をくれてやる! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ リチャード3世提督乙 なお電子空間でもやんややんやの大騒ぎである。 柏木に対する嫉妬団が大量発生し、しばふ村の住民がしばふ芋を称えるカオス空間と化しつつあった。 「アハハ・・・すごい人手ですネ」 女性から熱烈な歓声を浴びるフェルが苦笑気味に呟く。 「それだけ注目されているってことですよ! これを機会に私も那珂さんみたくアイドルデビューしたり、したり!?」 「ソレハナイト思ウカモ、吹雪チャン」 すっかりテンションが上がっておのぼりさん丸出しな吹雪。 対して黒雨(駆逐棲姫)が突っ込みを入れる。 などと言っている間にやがて出発ゲートに到着。 空港で停止しているデロニカまで送り届ける黒塗りの政府公用車が待機している。 乗ってしまえば後は宇宙へ行ってしまう。 そう思って一物の寂しさを感じたのか吹雪が振り返る。 「・・・・・・・・・」 振り返った先にいつもいる提督はいない。 あるのは歓声の声を上げる群衆だけだ。 「・・・行ってきますね、司令官」 吹雪は小さく呟き、踵を返して再び歩き始めた。 おわり 851: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 27 47 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 以上です。 皆様方の創作意欲を刺激できたら幸いです、では。 追記 以前自分のゲートネタで盗作疑惑云々の話がありましたが、 見たところ内容丸パクリとかが特に見受けられなかったのでそのままにします。
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869 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 55 17 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十八話 ―翼は帰郷する― 北郷部隊、江藤部隊は何事も無く扶桑海を渡り、舞鶴に帰る事ができた。 あの演説の後、退役を決めた学兵は僅か9名。 船内でも考えて決断を下したのだろうが、あまりにも少ない。 両隊長はもう一度問いただしたかったが、一時的な帰還時間が迫っていているために、断念せざるをえなかった。 しかし母校に、故郷に戻り、家族にあえば変わるかもしれないと思い、帰還時刻までに戻らなければ除隊と判断する旨を伝えるにとどめる。 取りあえず学兵達は法術士学校・導術士学校に一時的に戻る。 一泊二日してから帰郷し、期間は長めの二週間。 ゆっくり疲れを取って欲しいという願いもあって長めだ。 まあ。隊長陣はその間忙しく動き回るのだが。 ――――― 陸軍海軍合同機械化航空歩兵部隊と言う、未知なる部隊設立のために奔走する二人。 北郷章香と江藤敏子は、信頼と畏怖の念を持つ上司達から「やってみろ。」と言われて作業に没頭している。 投げやりに聞こえるかもしれないが、一応フォローは入れてくれているので助かってはいる。 「ストライカーユニットと武装は共通化が進んでいるからいいけどね・・・」 「やっぱり組織的な問題がなぁ・・・」 夢幻会が推し進めている共通化により、現場ではある程度負担は軽減されている。 さらに政府も共通化の利点を理解し、世界的な共通化を目指すべく動いている。 それはいい。それはいいのだ。 問題は陸軍と言う枠組みと、海軍の枠組みの違いだ。 両組織とも歴史があるし、世界共通の様に仲が悪い。 その中でウィッチのみとはいえ、統合しようというのだ。 新しい組織組を一から作らないといけない。はっきり言って自分達の仕事じゃないと思う。 「無理に総合するのは難しい。やっぱり別々で考えた方がよくないか?」 「そうよね・・・ まだ戦争しているし、新組織は無理だって上げるしかないわね。」 「そうなると、まずは防衛戦においての運用か。」 「まず陸戦戦力は考慮しなくて良いわ。偵察機による防空警戒網の構築が急務?」 「それは通常戦力で賄えるな。確か試作で木製偵察機を作っていた筈だが。」 「え、なにそれ。知らないんだけど?」 話題に上がった木製偵察機は、対ネウロイ戦において威力を発揮するだろうと思った夢幻会主導の物。 長距離偵察をこなし、爆撃も出来る。この世界製のデ・ハビランド モスキートを作ろうという野心的なものだ。 話を聞いた敏子はちょっと興奮気味であったが、章香はあっさり切り捨てる。 「まだ試作だし、投入できない。」 「意味ないじゃない・・・ 将来に期待ね。」 「とりあえずは航空母艦での警戒が主になるか。」 「機動艦隊を貼り付けるの? 良く知らないけど燃料とか、整備とかは?」 「自分も、主な勤務場所は陸上だからな・・・ 今度、アイツに聞いてみるか。」 「とりあえず、混乱しない様に指揮系統をはっきりさせた方が良いわね。」 「そうだな。情報のやり取りは円滑にした方が良いだろう。」 「同じ基地に同居していたのって、これを考慮していたのかしら・・・?」 「そうかもしれん・・・」 ちょっと冷や汗が流れる。やっぱりウチの上司は怖い。 そんなこんなで作業をしていると、ノックが聞こえた。 許可をすると、副隊長に戻った旭川梨奈が書類をもって入室してくる。 「隊長、持ってきましたよぉ。」 「ああ、すまいない。」 「いいですってぇ。」 軽く礼を言い、梨奈は小さく笑ってそのまま出て行いく。 書類は部隊運営に必要なモノから要望まで多岐にわたる。 そして手紙、も何通か入っていた。 誰からだと思い、目を通していく。 「大佐に、源田・・・ げっ!」 「どうしたのよ?」 最後の手紙を確認した章香が変な反応をしたので、書類を書いていた敏子が顔を上げる。 見上げた先では「どうしよう。」と困っている章香がいた。 「どうしたのよ。」 870 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 55 54 再度尋ねると、言いたくなさそうな感じだではあるが答えてくれた。 「両親からの、手紙だ。恐らく、見合いの・・・」 「あ、ああ・・・」 ――――― 導術士学校は大阪にあるが、少し兵庫県よりだ。 と言うのも最初に海外からの留学生を受け入れていたのがこちらだからだ。 設立が早かったのもこちら。法術士学校の方が後なのは、入校して初めて知る事実だったりする。 九曜葛葉が陰陽道、その技術が消えるのを恐れたが故に。 それは成功し、結界士・呪歌使い等の特殊技能が生まれてこの世界で活躍している。 疑似的な能力模倣すら可能にしているのだから、世界が瞠目するのも分かる。 それはともかくとして、坂本美緒・若本徹子・竹井醇子は母校に戻ってきた。 バスから降り立った母校は相変わらず広く、多くの女子生徒たちが運動していた。 時間的に授業中なのだから仕方が無い。 グラウンドにいた同級生の生徒達がこちらに気がつくが、先生が押しとどめつつ叱り付ける。 「・・・(クスッ)」 それをみて小さく笑った美緒に、醇子が近寄った。 「どうしたの?」 「え、あ・・・いや。」 問いかけられたのだがどうにも答えにくい。 困り果てた美緒ではあるが・・・彼女は同級生たちの行動を「子供らしい」と思ったのだ。 戦争に出たがゆえに精神年齢がいびつに上がった影響なのだが、美緒が気がついた様子は無い。 学兵一行はそのまま体育館に移動し、教頭先生と校長先生から労いの言葉をもらうが・・・どうにも実感がわかない。 意識的にはまだ戦争は続いていると、認識しているからだろうか? とりあえずそのまま昼休みの時間となったので、彼女らは自分達がいた教室に一時戻ることになった。 学友達と交流してほしいという思いと、それとなく知らされた徴兵期間延長をさせないために。 美緒等は一緒の学年で、一緒の教室にいるから戻る場所も一緒だ。 教室に入ると、いっせいに学友たちが押し寄せてきて揉みくちゃにされてしまう。 「うわわわわ!」 「おかえり!」 「心配していたのよ!?」 「怪我してないよね・・・?」 「おう。大丈夫だ。」 「あっちでも、二人共勉強してた?」 「うん。分からないところは先輩に教えてもらっていたよ。」 三人は質問攻めに会いながら、冷静に答えていく。 すると、外側から参加せずにいた一人の生徒が、気が付いたように呟いた。 「なんか・・・ 落ち着いてない?」 「え、そう?」 小さく呟いたつもりだったのに、隣の友人に聞こえていたのに驚きつつも頷く。 「美緒ってさ、こういう状況だともっと慌てていたような感じがする。」 「言われてみれば・・・」 視線を騒ぎの中心に戻せば、美緒は抱きつかれていたのをやんわり外し、少し距離を取らせている。 そして冷静に受け答えしていた。 徹子は答えつつも背中を醇子のほうに向けている。醇子も自然と美緒と徹子の間に入れていて、けして背中側を見せないようにしている。 これは、三人は意識せずに背中を見せないように行動しいていたのだ。 別に危険も無いのに、「取り囲まれている」というこの状況で体が動いていた。 そして一定の隙間を空け、三人の視線が時折扉と、人垣が少ないほうを見ているのにも気が付く。 異常だ。この三人の行動は異常すぎる。 まだ幼い生徒は、軍隊の生活に慣れきった目の前の人物たちが怖くなった。 あれは本当に同級生なのだろうか? 自分の知っている人物とは違いすぎる。 身にまとう雰囲気も上級生・・・ いや、大人のようにも見えなくも無い。 戦場に出ると、人はこうまで代わるのか? それが恐ろしいものに見えて、彼女は近づくのをためらった。 ――同じはずなのに違う。 それは美緒達も感じていた。 同級生たちの近況の話を聞くが、どうにもついていけない。 こういう御店が出来ておいしいとか、可愛い洋服があるとか、誰それが失敗して先生に怒られたとか・・・ 確かに久しぶりの会話は楽しい。 しかしここは本当に自分の知っている学校なのか、どうにも確信が持てない。 871 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 56 40 精神的成長を遂げた三人にとって、微妙な齟齬が違和感となって感じられる。 何時も見ていた教室。 何時も見ていた窓の外。 何時も一緒だった同級生たち。 良く知っているのに、何か違う。 何処か、疎外感を感じて寂しさがこみ上げてきた。 自分はここにいていいのだろうか? そう疑問に思い始めた時、昼休みが終わる鐘がなる。 「ほら皆、椅子に座って!」 学級委員長がいうと、質問をしていた子達は名残惜しそうに美緒達から離れていった。 ようやく解放されてホッと一息をつき、自分達が座っていた席に座る。 そして先生が入ってくると、いきなりテストをすると言って大ブーイングを受けてしまった。 これは学兵の為の措置だ。取りあえず午後の授業を受けてみて、自主勉強がどこまで出来ているかを見ることになっている。 美緒達としてもいきなりの抜き打ちテストに冷や汗が止まらない。 一応勉強はしていたが、どこまで進んでいるかなんてわからないのだ。 手探りで進めつつ、先輩たちに聞いてようやくと言うレベル。 配られた答案用紙を見詰めつつ、帰国早々の戦闘に鉛筆を取り出す。 (*1)) 意気込んでテストに臨んだ三人だが、結果から言えば半壊判定だった。 それは他の学年にいる学兵達も同じであり、学校側も困ってしまったので、急遽学兵を集めた特別な教室を作る事に。 今は低学年の学兵が全員帰ってきているが、まだ戦場に残っている学兵もいる。 彼女達の未来の為に、一肌脱がなければならない。 この有り難い説明を帰郷前に聞いた学兵達は、嬉しさに泣いた。 ついでに宿題も沢山渡されたので、絶望にも泣いた。 ウィッチになる女性達は才女が多い。だから要求される能力も高くなり、授業も難しくなる。 社会進出しているウィッチ達も、猛勉強の末にその地位に立っているのだ。 泣き言なんて許されない。 学兵達は宿題の量に頭を抱えつつ学校を後にした。 お見送りにやってきた学友達の視線は同情の視線。 先に夏休みの宿題を手渡され、たった十二日でこなさなければならないことへの同情。 美緒はその視線にさらされる事で、ようやく元に戻れたような気がした。まったく嬉しくないが。 帰郷に旅立ったその日は7月14日・・・ 原作において大反抗作戦を開始し、潰走。空戦ウィッチの尽力により、一時的に戦線の再構築をした日にちだった。 超大型ネウロイ、コードネーム“ヤマ”。その発見がされるまで、あともう少し。 以上です。 今回初めて明確な日にちを出しました。 しかし・・・“ヤマ”が確認されたのっていつ頃なのかな? 個人的予想では7月の28日・29日・30日だと思うのだが・・・
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160 :ひゅうが:2012/01/18(水) 19 11 12 ――同 皇紀4249(宇宙暦789=帝国暦480)年1月 銀河系 南十字腕 「伊予・安芸星域」 大日本帝国の地方制度はいくつかの星系(国)をあわせた「道」あるいは「州」と呼ばれる行政区画を基本としている。星系ごとの自治制度こそ緩いが、道あるいは州への中央政府の監査統制と自治は司法をあわせた疑似的な三権分立という厳しいものになっている。 一例を挙げれば、自由惑星同盟における星あるいは星系首相は「知事」とされ官選。副知事が民選である。 こうした点を見る限り、日本帝国という国家はどちらかといえば中央集権的といえる連邦制をとっている。 これは、銀河連邦崩壊時にルドルフ・フォン・ゴールデンバウムに対抗し「大遷都」を実行するために行われたものの名残であり、常に銀河帝国による追撃を警戒していたためであった。 銀河連邦時代の自国領内には日本神話の神々の名がつけられていたのではあるが、「大遷都」後の日本帝国は各地の星系に地球時代の日本列島やその古名を名付けている。 彼らは二度と本土喪失という事態を引き起こす意思は持っていない。言いかえれば、新たな大地を是が非でも守り切るというそれは決意表明であるのだ。 「すごい密度ですね。」 「この『瀬戸』は南十字腕の大動脈ですからね。帝都へ向かうためにこれから向かうサザンクロス回廊を通る『東海道』はこんなものではありません。」 艦長の言になるほど。とヤンは頷いた。 ここは、日本側の汎用戦闘艦「秋月」のブリッジ。 連絡武官として交換の形で日本側の武官と引き換えに彼はこちらへ乗り込んでいた。 当初はどんな中身なのかと戦々恐々としていたヤンだが、ブリッジは思いのほか普通に見える。 配置は同盟軍の戦闘艦に似ているが、視界を重視するために全天モニターで囲まれた中心にコンパクトにまとめられたブリッジが配置されているのでヤンにとっては単座式戦闘艇に乗った時のように宇宙空間にぽつんと浮かんでいるような気分になり、あまり落ち着かない。 ブリッジには艦長だという男性と操艦手と呼ばれる女性のほかは増設されたアドミラルシートに座る嶋田中将とヤン以外に人はいなかった。 不思議に思って尋ねてみると、小型艦のために制御にそれほど人手を使うわけではないらしい。それに、必要となれば機関長や各砲塔にいる乗組員をモニターに投影し疑似的な艦橋を作りだすこともできるため常に艦橋につめる必要もないのだという。 嶋田提督いわく、「電脳化が前提のシステムだが、こういうものはなくならない」らしい。 ヤンたち一行が回廊を抜けてから初の長距離ワープを行った先にあったのは、まるでハイネセンのフリーウェイのような宇宙船の列だった。 一行はその外側を悠然と高速で進み始めていたのだ。 「周囲の船舶には十分距離をとるように伝達。」 嶋田提督が脚を組み直しながら言った。 「了解しました。」 見ていると、艦長がどこからか空間投影パネルに文章を呼び出し、それを指先ひとつで「通信」と書かれたアイコンに投じている。 どうやら信号発信も自動化されているらしい。 161 :ひゅうが:2012/01/18(水) 19 11 50 「自動化が進んでいるのですね。」 「おや?漢字が読めるのか――そうか。ヤン中佐は中華系だったな。そうだ。我々は銀河連邦を継承した帝国に対抗するためには圧倒的に数が足りなかったからな。 経済的発展を優先するためにどうしても省力化が必要だった。」 嶋田提督はそう説明してくれた。 この人物は意外と面倒見がいいようで、ヤンの質問にはたいてい答えてくれている。 嶋田にしてみれば物語で知っている主役級の人間を相手にして少し舞い上がっているのだが、軍用義体は某義眼レベルで嶋田の「見せたくない」表情を隠しきっていた。 「はぁ。名前表記がE(イースタン)式である以外はそれほど自覚があるものでもないですが。」 「だろうな。あの戦争以後は特にそうなっている。」 ヤンは頷くにとどめた。 内心は驚きの感情を覚えている。伊達に4000年以上の歴史を誇るわけではない。でなければ900年前のシリウス戦役をこともなげに「あの戦争」などとは言わない。 「ヤン中佐は――」 ヤンの思考を中断させ、嶋田提督は言った。 「民主主義は最悪の政治体制だという言葉を知っているかな?」 「いえ。」 「はは。そうしかめっ面をしないでほしい、悪かった。その言葉には『それ以外に比べてはるかにマシであるが』と続く。ウィンストン・チャーチル卿の言葉だ。」 「第2次大戦時の悲劇の英国宰相でしたか。」 ヤンの返答に嶋田は頷いた。 そうか。我々が変更した歴史にあってはチャーチルはそうなっているな。第2次大戦回顧録も書いていない。 「そうだ。統治者にNoを言え、無血で交代させることができるという一点において民主政治――というよりは議会政治は独裁や専制政治に勝っているという意味だ。」 「君主制国家の方からそんなことを聞くとは思ってもみませんでした。」 「まぁ、ギリシアとペルシャの昔から民主政治と君主制時のどちらがマシかという問題は議論されてきたがね。 私は共和制よりも立憲君主制――いや統治者と権威者を分離する方式の方がいいかもしれないと言っておくことにするよ。これでも私は大日本帝国の軍人だから。」 「権威者と統治者、ですか?」 うん。と嶋田は頷く。 「専制者というものはその人格や伝統をもって権威を帯び、統治にあたって独裁的な権力を振るう。 だが、最初から権威を持つ者から統治権を離しておけば、独裁的にはなっても専制者にはなれない。権威を持つ者が権威としての継続性と伝統を継承している限り専制者はそれを上回るものを持てない。 よしんば制度疲労を起こしても、権威者はそのままにして統治機構を作りなおせばいい。」 「王権神授説の神の役割を君主に置き、統治者を王にするわけですか?どうも納得しがたいのですが。」 「日本の歴史はそうしたことの繰り返しだよ。ヤン中佐。統治者がいくら変わろうとも皇室はそのまま君臨され続けてきた。現状の議会政治が暴君を生まない、生んでも排除するシステムであるなら、皇室は議会と統治者の両方に任免の正当性を付託するシステムであるといえるのかもしれないな。三者ともに幸福でいられる。」 おっと、これは言いすぎか。と嶋田提督は話題を打ち切った。 「少なくとも、我々は陛下を敬しているし、人間が皆賢いとも思っていない。それだけは覚えておいてほしい。」 ヤンは頷いた。 自由惑星同盟の中の極右共和制一派が日本帝国の共和主義者への援助を主張していることへ釘を刺したのだろう。と彼はそう理解していた。 「さて。今日中には呉へ寄港し、帝都へ出発できるだろう。そろそろ食事にしないかね?」 どうも似合わぬことをすると腹が減る、と言った嶋田に、ヤンは「お供します。」と返した。
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23 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 45 33 艦こ○ 神崎島ネタSS――「第二次上海事変」その13 ――同 神崎島 昼餐会場 アメリア・イアハートは歓待に上機嫌だった。 アメリカからみれば西の果て、あるいは東の果てにある島という印象であったのだが、この島はイメージした以上に都会であり、快適に過ごすことができたからだ。 ホテルの中のラジオでは、米本土からの放送を受信することもできたし、ホテル内で食べることができたのは本格的なフランス料理だった。 いささかアレンジしているらしく生魚のカルパッチョが出てきたときには驚いたが、食べてみればこれはとてもおいしい。 冒険旅行の覚悟を決めて旅立った中にあって、この島はシンガポールあたりで期待していた蛮地の中の文明そのものだった。 何しろ冷房すらあるのだ! そして、夏らしく雨が降ったのを理由に一日ゆっくり休んだアメリアとナビゲーターのフレッド・ヌーナンは、盛装してこの島の政府である鎮守府本庁舎へと足を運んだ。 記者の数は少なかったが、珍しい女性記者がいるあたりこの島は開明的なようだ、と再び評価を上方修正。 この島駐留の日本の大使的な役割であるという高等弁務官の案内で、若きこの島の指導者に面会し、無事ルーズベルト大統領の親書を渡すこともできた。 この時点で彼女の任務はすでに終わったといってもいい。 だが、彼女は先方の厚意に甘えてもう2,3日この島に滞在するつもりだった。 情報収集というだけではない。 機体のエンジンをオーバーホールし、オイル交換などをやってくれるというからだ。 オクタン価106と120の燃料を無償で給油してくれるというのは何より彼女らを喜ばせた。 心配せずとも、機内に取り付けられた記録機材は二重に施錠されている。 飛行許可も、余裕をもって7日間、それも希望すれば発進可というものをもらっている。 控えめにいっても歓待といってよい。 そして、二人は正式な鎮守府側の招きにしたがって昼食を共にすることとなった。 希望時間帯はと聞かれて二人は午後2時すぎといった。 飛行機パイロットとしては、太陽の南中からの位置測定が日課になっていたし、着替える時間も必要だったからだ。 この時代の会食には、ドレスコードというものがある。 よくTVドラマなどでも晩餐を蝶ネクタイ姿で過ごしているように、昼食には昼食にふさわしい格好があるのだ。 男性はネクタイ姿が基本であるし、女性はワンピースにバックをあわせるのがふさわしい。 このルールを守らなければ、会場に入ることすらできないのだ。 アメリアは、米国女性らしく裾の広いスラックスとごく薄いアイボリーホワイトの帽子をあわせることにした。 既婚者であるから、純白はまとわないのだ。 同僚のフレッドはジャケットにネクタイ、白いズボンという姿だ。 まことに新大陸的な格好だった。 これにパナマ帽をあわせればマニラあたりの小洒落た二人連れになる。 男性が帽子をかぶらないのは、外を歩くわけではないからだ。 今回は、鎮守府さしまわしの車で会場へ向かう。 「静かな車ですね。」 「これは電気駆動ですからね。市内の騒音に配慮しているんですよ。」 未来的な流線型の車に迎え入れられた二人に、運転手の女性は笑った。 制服制帽であるあたり、正規に雇用されたスタッフなのだろう。 24 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 46 57 「どうりで。何キロ走れるんですか?」 今度はフレッド。 30年ほど前には、電気自動車は米国でもガソリン車と市場を二分する存在だった。 T型フォードが市場を席巻する前は。 加速も安全性も当時は電気自動車の方が上であったそれがみられなくなったのは、アメリカ的には充電時間と航続距離というボトルネックがあったからである。 重い蓄電池というデッドウェイトもある。 「正規で200キロは。特別製の電池と回生ブレーキのたまものです。」 「それはすごい。」 昔の4倍以上である。 「輸出の予定は?」 興味本位でアメリアは聞いた。 「島はアメリカさんのような訴訟地獄はごめんですから。」 「なるほど。」 この当時、アメリカでは路面電車を買い取りその路線をバスに置き換えようという動きが加速していた。 主要自動車会社や石油企業がタッグを組んだこの動きは、要するに自分たちの市場確保のために電気動力を締め出すという意図をもっているといわれ、100以上の路面電車運営会社が買収され、次々にスクラップにされていたのである。 もちろん陰謀論者のたわごとと片付けることもできるが、そうしたトラブルを抱えるのはごめんということを運転手は一言で言ってのけたのだった。 「そろそろ到着です。」 運転手がいった。 鎮守府本庁舎のヴィクトリア調の建物の前には、数人の記者とそれに数倍する歓迎の人員が待っていた。 提督をはじめ、主要スタッフとおぼしき人々もいる。 「お招きにあずかり光栄です。」 「あらためてようこそ。」 二言三言話し、昼餐会場にゆく。 今回は南欧風の食事であるようだ。 前菜に生ハムとほどよい甘さのメロンに加え、この島産だというキャビアが出、ついでコンソメスープの冷製――ジュレといったものが出る。 ほどよいスパイシーな香りは、山椒という調味料によるものだという。 続いて、真鯛のポワレに夏野菜のラタトゥイユ(刻み野菜煮)がけ。 アメリアとフレッドは料理を堪能し、バケットを二度おかわりした。 「失礼します!」 楽しい昼餐の最中、恐縮した様子のオオヨド…たしか提督の秘書官の女性と、厳しい顔をした男性が会場に入ってきて、そしていった。 「提督。緊急事態です。上海特別陸戦隊および日米英三カ国艦隊に対し中国軍機の爆撃が行われ、米砲艦『パナイ』が轟沈。脱出船団の輸送艇1隻も運命を共にしました。 死者は少なくとも300名を超えています。」 「なんだと。」 一瞬で軍人の顔になったアドミラル・カンザキに対しオオヨドが言葉を続ける。 「また、米アジア艦隊旗艦および英香港戦隊旗艦に対し爆撃が行われ炎上中。 日本海軍の空母『カガ』も大破炎上しています! 現地報告によると陸戦隊はアメリカ・フィリピン駐留軍とともに居留民5万および在住住民120万人を守るべく戦闘を開始したとの報告!」 「ミセス・イアハート。申し訳ない。少々中座いたします。ここの牛フィレとカレーソースは絶品ですよ。こんなときで恐縮ですがぜひ味わっていってください。」 「アドミラル。私たちにできることがあれば何でも仰って下さい。あそこには…」 口をついて出た言葉に、若き提督は微笑して言った。 「わかっております。居留民は私たちと日本帝国陸海軍が必ずやお守りいたします。 幸い、たのもしい米比軍がついておりますので。」 一礼し、軍服姿のカンザキ提督は悠々と歩き去った。 次の料理として、メインの牛フィレのカレーソースかけが出てくるまでの3分間、二人の旅行者は上の空のままだった。 彼らが英語で喋っていたことにも気がつかず、忘れてしまうほどに。 25 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 47 51 【あとがき】――計画通り。 その11を13に修正
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668: ライスイン :2016/12/01(木) 17 28 26 訂正版が完成したので投下します。 669: ライスイン :2016/12/01(木) 17 30 55 ゲートスレ4 1 名前:名無しさん まさか向こうの世界の艦これとリンクするなんてな。 2 名前:名無しさん リンクして1週間が経過したけど艦これユーザーが倍以上に増えたのも凄いな。 3 名前:名無しさん 母港で「ゲート」のコマンドをクリックする形で向うの鎮守府へ転移して向うの艦これをプレイする形でしたね。 向うで手に入れた艦娘はこっちでも使えるし、行かなくても改装時に特殊なアイテムを使えば向こうの艦娘(語尾に(G)が付く)に改装できました。 4 名前:サムライさん 私たちの艦これはそちらと同じ深海棲艦(英仏独など欧州同盟の艦艇がモチーフ)と戦う通常モードと配下の艦娘を率いて世界大戦を戦うWWⅡストーリーモードがあります。因みにプレイ可能陣営は日米ですがクリア後に ○アムステルダム沖海戦(蘭VS仏):オランダ ○北海中部海戦(英VS蘭):オランダ ○スカパフロー雷撃(英VS伊):イタリア ○ツーロン軍港襲撃作戦(仏VS伊):イタリア が追加されます。因みに日米ともに最初のステージは ○チュートリアル「豪州艦隊制裁」(豪VS日米)です。 5 名前:名無しさん 丁寧な説明有難う。俺はもう全部プレイしたけど・・・向うの戦艦勢が凄いな。 6 名前:名無しさん 連合側主要国の最強戦艦が 日本:大和型戦艦(210000t 55口径56㎝3連装×4、30kt):大和 武蔵 信濃 三河 上総型戦艦(110000t、50口径51㎝3連装×3、30kt):上総 下総 美濃 周防 紀伊型巡洋戦艦(49000t 45口径46㎝連装×4 31kt):紀伊、尾張、駿河、近江 アメリカ:テキサス級戦艦(140000t、50口径20インチ3連装砲×4、30kt):テキサス ユタ フロリダ級戦艦(80000t、50口径18インチ3連装×3、30kt):フロリダ オレゴン ルイジアナ ウィスコンシン ロシア:インペラトール・ニコライ2世級(S・ソユーズ級相当):インペラトール・ニコライ2世、アドミラル・マカ ロフ、マーシャル・クロパトキン、 マーシャル・クトゥーゾフ イタリア:スキピオ級戦艦(53000t 50口径40.6㎝3連装×3 33kt):スキピオ・アフリカヌス、ハンニバル・バルカ カナダ:キング・ジョージ5世級(ライオン級相当 英国から亡命):キング・ジョージ5世、プリンス・オブ・ウェールズ オランダ:ウィレム3世級戦艦(扶桑型):ウィレム3世、ゼーゴイセン トルコ:スレイマン1世級戦艦(扶桑型):スレイマン1世、メフメト2世だな。 7 名前:名無しさん 色々おかしいぞ・・・特に日米。 8 名前:サムライさん まあ3大海軍国(日本とアメリカそして大きく離されてイギリス)の2つが組んでたから海上ではほぼ負けなしでしたよ。もっとも油断は禁物でしたが。 9 名前:名無しさん おれも末期のアイスランド沖海戦では痛い目にあったな。英艦隊が特攻機を突っ込ませてくれたおかげで軽空母が大破しちまった。 10 名前:名無しさん それは・・・なんて末期日本軍っぷりだな。 11 名前:サムライさん こっちでは他にも ○加速ロケットを使って重爆の高度まで上昇し、強度を上げたプロペラで機体を切り裂くランスロット制空隊 ○大型で人が操縦して敵艦に体当たりする有人操縦魚雷”アロンダイト” ○1000ポンド爆弾を搭載した体当たりモーターボート”ゲイボルグ” ○刺突爆雷”ボンバーランス” ○伏龍モドキ”シーデビル” を運用していたぞ 11 名前:名無しさん 末期になると考えるのはどこも同じなんだな。 670: ライスイン :2016/12/01(木) 17 31 35 50 名前:名無しの提督 うわ~ん、俺の・・・俺の金剛がぁ・・・。 51 名前:名無しさん どうした提督、何があったんだ? 52 名前:名無しの提督 金剛がLv25になって金剛改に改装できる条件が整ったんだ。そんで資材集めの為に向うでプレイしてたら「ジェリコーのラッパ」って金剛専用の改装アイテムを入手したんだ。 ”これを使う者は全ての希望を捨てよ”って注意書きがあったけど気になって使ったんだ。そしたら金剛が・・・悪堕ちヤンデレみたくヤバイ状態になったんだ。 そして編成に組み込んだらウォースパイト他英海軍艦娘の命中率は落ちるし被弾率は上昇。経験値はマイナス補正がかかるし鎮守府内では常におびえた表情しかしないんだよぉ。 53 名前:サムライさん やっぱりそうなったか。 54 名前:名無しさん どゆこと? 55 名前:サムライさん 其方から来たユーザー向けのアイテムでこっちの世界の金剛に改装する為の物です。逆に此方向けに「セイロンティー」というアイテムがありまして其方の世界のハイテンションな英国かぶれの金剛に改装できるようになります。 56 名前:名無しさん 何で金剛がああなったかは記録映画とかドキュメンタリーとか小説”戦艦金剛物語(※1)”見たからわかるけど・・・。 57 名前:ジャスティスさん 漸く仕事が終わったぜ。途中から割り込むけど金剛壊(史実側表記)のCGをUPするぜ。 http:www・・・・・・・・・jp 58 名前:名無しさん 服の色が白→黒、鈍く輝く目と赤い光の剣に暗黒闘気全開っぽい雰囲気・・・どこをどう見てもシスの暗黒卿じゃないか。 59 名前:ジャスティスさん こっちにもスターウォーズはあるからな。この金剛は「シスの金剛卿」 「ダース・ゴールド」って渾名が付いてる。 60 名前:サムライさん 金剛壊の特性は ○英海軍艦娘及びそれらをモチーフとした深海棲艦に対して攻撃力2倍・回避率3倍、撃破時に資材獲得 ○金剛壊が配下にいる場合、英海軍艦娘(※2)は常に怯えたような表情と言動をし、キラキラ状態には絶対にならない。 ○金剛壊と同じ艦隊に居る英海軍艦娘は、命中率-50% 被弾率+20% 入手経験値-20% クリティカル及びカットインは発生しない。 61 名前:名無しさん ダークフォースの影響を受けているのか。・・・ヤバイな。まあ元気出せよ提督。救済措置として「比叡カレー」を使用すれば一定期間無効化(実時間1か月)できるしな。 62 名前:名無しの提督 みんなありがとう。でも金剛セリフが 「ジョンブル死スベキ、慈悲・・・そんなのナ~イネ!!」 「Burning KILL!!」 とかヤバイ言葉に変化しているのはちょっとな・・・。 63 名前:サムライさん まあでも第2次ユトランド沖海戦のステージで英海軍の超巡洋戦艦ジョン・ジェリコーを撃破した時の 「皆の仇討ったネ~」 を聞いた時は涙が止まりませんでした。 64 名前:ジャスティスさん ジョン・ジェリコーも艦これ史上初の”運0というある意味有名だからな。 671: ライスイン :2016/12/01(木) 17 32 05 ※1:第1次ユトランド開戦時に少尉候補生として乗組み、第2次ユトランド沖海戦時に金剛の艦長を務めていた作者が書いた小説。遣欧から裏切りの瞬間、そして数十年後の復讐を遂げる時までを事細かに書かれていて英語・ロシア語・イタリア語・トルコ語・オランダ語等複数の国の言葉に翻訳され世界的なベストセラーになった。 ※2:英国海軍に在籍していた艦。英国製であってもキングジョージ5世の様な亡命艦や他国・鹵獲されて使用された艦は対象外。 ○おまけ 艦娘スペック(改装直後) 金剛壊 Lv 25 耐久:75 装甲:89 回避:69 火力:99 雷装:0 対空:99 対潜:10 索敵:49 運:9 搭載:12 速力:高速 射程:長 スロット1(3):長41㎝連装砲 スロット2(3):15.5㎝3連装副砲 スロット3(3):電探連動長10㎝連装高角砲 スロット4(3):試製短艦対空誘導弾 ジョン・ジェリコー LV 25 耐久:60 装甲:62 回避:60 火力:80 雷装:0 対空:56 対潜:0 索敵:24 運:0 搭載:0 速力:高速 射程:長 スロット1:短18インチ連装砲 スロット2:13.3cm連装両用砲 スロット3:40mm8連装ポンポン砲 スロット4:17.8cm20連装UP発射機 ヤマト改 Lv25 耐久:590 装甲:350 回避:80 火力:520 雷装:0 対空:200 対潜:30 索敵:70 運:15 搭載:16 速力:高速 射程:超長 スロット1(4):特56㎝3連装砲 スロット2(4):2式超重徹甲弾 スロット3(4):12.7㎝連装速射砲 スロット4(4):2式哨戒ヘリ「南海」 (入手すれば大抵の敵艦隊を蹴散らせるが条件は非常に困難。日米露世界でも保有する提督はギリギリ3ケタを超える人数しかいない) 倉崎/ベル 2式哨戒ヘリ「南海」(ベル203モーレイ):倉崎重工とベル・エアクラフト共同開発の対潜哨戒用のヘリコプターで性能・外見はHSS-1相当。 いかがでしょうか?今回の2chは艦これにしてみました。私自身は艦これ未プレイなのであまり詳しくないです。 自動解体の部分が不評でしたのでバッドステータス付加に変更しました(救済処置あり)。 次回は通常の2chにする予定です。孤立大陸はもう少しお待ちください。 誤字修正